世界中で君をスターだと思いたい

素直に笑う瞬間迎えたい。月並みの愛で離さない。

これはラブレターです

私は昔から不思議なものや、真相が分からないものが大好きだった。

例えば世にも奇妙な物語みたいな話とか、宇宙人とか、未確認生物とか。

「わからない」ことに強く惹かれる。

解き明かせないものや、答えのない問答みたいなのが好きなちょっと理屈っぽいタイプである自覚がある。

 

わからないというのは無限の「IF」を孕んでいる。

良いことも悪いこともあるが、それを一生知ることが出来ないというのは永久に興味をひかれ続けるということ。

私はミステリアスな人がとても好きで、アンビバレンスな人はもっと好きだ。

 

人間はお互いを本当の意味で理解することも共感することも無いというのが私の主義なのだけど、アイドルを好きになってより一層そう思う。

 

私の人生初のアイドルは丸山隆平くんだった。

 

笑った顔が可愛くて、穏やかで優しくて、Noと言えずに美味しいんだがしんどいんだかよく分からないポジションにいる彼に強く惹かれた。

彼は正しく「わからない」人だったから。

正直丸山隆平くんは笑わない方がカッコイイと思う。これは個人の嗜好だけれど、私は彼の涼しくて冷たい印象の目が凄く好きだ。ヘラヘラしてる印象が強いけどとても精悍な顔をしている。

それなのにヘラヘラ笑っているところが好き。

優しくて穏やかに振る舞うくせに嫌味っぽいところがあって善良になりきれない所も好き。ただただ善良な人間なんかいないし毒気の無い人間はどこか面白みに欠けると私は思っているから、彼の垣間見せる苦いキャラクターを見るとてもウキウキする。

ムードメーカーのくせに落ち込みやすいし緊張しいなところも好き。一生懸命な姿はいつだって愛おしい。

 

でも1つ打ち明けばなしをするのなら、私はムードメーカーなんて、貧乏くじだとずーっと思っていた。

面白いか面白くないか、そんなの周りの機嫌次第。

どんなことをしたって受け手のリアクションで善し悪しが決まるその役割はみんな口では大事というくせに自分の推しが押し付けられたら怒るくせに、なんてひねくれた気持ちが少なからずあった。

容姿を下げられたり、趣味嗜好をからかわれたり、言動の揚げ足をとられたり、最初の私はずーっとなんだか苦い気持ちで見ていた。

だって私は丸山隆平くんが大好きだし、カッコイイと思っているし、サブカルチャーを愛するところは凄く親近感を感じていたし、彼の言葉の言い回しやまろやかな語感が大好きだったから。グループ内外でそういう扱いをされると嫌な気持ちの頃があった。

 

でも丸山隆平くんはやっぱりヘラヘラしている。

変な生き物だと思った。

私は変な生き物が大好きだった。

誰も知らない、誰も共感出来ない、誰にも何も教えてくれない、自分の世界を強く持つ人だと思った。

 

丸山隆平くんには丸山隆平くんの美学がある。

多分、これは私の憶測だけど彼には笑って欲しい人がいるんだと思う。

メンバーや、ファンや、いっそのこともはやファン以外にすら彼は笑って欲しいのだと思う。

 

彼はとても自己肯定感が低いし、人と自分を比べるし、実際は凄く傷つきやすい面があるんじゃないかなとふんでいる。

そんな彼が、アイドルとして、「関西色」を売りにしたアイドルとして駆け出した時に見つけた宝石みたいなプライドが「笑わせること」だったんじゃないかな、なんて思った。

 

笑ってもらって、存在意義とか自分のポジションとかを見つけたのだと思う。

だから彼はムードメーカーに徹するのだ。

公の場で彼は泣かないし、吐露しない。

大事な話ではとても毅然としているし、あわてんぼうの一面すらなりを潜めて彼の言葉を一生懸命紡いでいく。

 

丸山隆平くんは泣かなかった。

凄く辛い別れだっただろう。

酷く不安な流れだっただろう。

 

でも彼はファンとメンバーのムードメーカーだった。

広いドームで彼は訳の分からないことを沢山した。

MCのほとんどがそんな訳の分からないことに費やされて、彼はせっせとおどけていた。

 

好きだなあと思ったし、重たい役割だなあと思った。

ムードメーカーは泣かない。

丸山隆平くんはとてもナイーブな人だと、そう思っていた分、私は彼の淡々とした気丈さに胸をうたれた。

 

カッコイイんだ、本当に。

変な生き物だ。

弱くて強くて脆くて毅然として柔らかくて頑なで、孤独で、仲間がいて、泣き虫で、泣かない。

変な生き物だ。凄く変な生き物だと思った。

 

訳が分からない。

好きになればなるほど訳が分からなすぎて大好きになる。

 

私は丸山隆平くんのことを飽きるほど考える。

考えても考えても彼にたどり着かない。

ヘラヘラ笑って、彼はいつものらりくらりと先に行く。

 

私が思うほどムードメーカーは貧乏くじじゃないのかもしれない。

彼はムードメーカーという役割を死ぬほど愛しているように見えたし、彼をムードメーカーに置いているグループを、関ジャニをこの世の何より愛しているように見えた。

 

私は丸山隆平くんのちょっぴりミステリアスで意味深な眼差しが好きだ。

真意の読めない、ふざけた態度が好きだ。

笑って、愛おしそうに仲間を見る大人の顔が好きだ。

ベースを愛して没頭する凝り性なところも、サブカルチャーを愛するちょっぴりダークな世界観も好きだ。

 

健やかに生きて、楽しく生きて、一生私に何もわからせないでいて欲しい。

毎日毎日移り変わる世界にも、心にも、自由であって欲しい。

美味しいものを食べ、適度に酔い、生きる喜びを謳歌して欲しい。

愛すべき仲間と愛すべき音楽を心ゆくまで楽しんで欲しい。

 

わからない丸山隆平くんが好きだ。

これからもずーっとわからないから丸山隆平くんのことが好きだ。

多面的な丸山隆平くんのどの一面も見逃したくない。

 

そして私は一生丸山隆平くんを理解しないまま愛していたい。

永久に解き明かせない丸山隆平くんを見ていたい。

時折、丸山隆平くんが愛するメンバーたちから貰えるヒントを積み重ねてみたりしながら、私はずーっと丸山隆平くんを考えていたい。

 

お誕生日おめでとう、最愛のアイドル丸山隆平くん。

辛いことばかりのこの世に生まれてきてくれてありがとう。

笑えないことばかりの人生で、笑っていてくれてありがとう。

アイドルという修羅道をその足で1歩ずつ歩いてくれてありがとう。


私の眠れない夜は永久にあなたのものだから、どうか健やかに永久に私の頭を悩ませてください。